「野生のゴリラはバナナ食べないんだぜ」
「え、嘘でしょ？ そんなわけないよ！」
「マジだし！ なぜかって言うとゴリラが住んでるとこにバナナが生えてないからだぜ！」
「え〜！ じゃあ、ゴリラ飢え死にしちゃうじゃん！」
「おいおい、ゴリラがバナナ以外食べないって誰が決めたんだよ？」
「え、違うの？」
「ちげぇだろ！」
「じゃあ、アリクイは？」
「蟻しか喰わねぇな」
「パンダは？」
「笹しか喰わねぇな」
「コアラは？」
「ユーカリしか喰わねぇな」
「草食動物は？」
「草しか喰わねぇな！」
「肉食動物は？」
「肉しか喰わねぇな！」
「ほら〜！」
「ほらじゃねぇし！ 自分の都合のいい答えだけ出そうとするとかおめぇ政治家の素質あるな！」
「えへへ、それほどでもないよ！」
「まぁ、おめぇに投票したら国が滅びるけどな！」
「それ男尊女卑〜！」
「いやいや、おめぇが女だからとかじゃねぇし。人としてヤベェ奴だってこと！」
「えへへ、それほどでもないよ！」
「褒めてねぇし！」
「もう、公ちゃんのツンデレ！」
「ゴリラの生息地はアフリカ、バナナの原産は東南アジア。つまり、ゴリラが住むとこではバナナが喰えないってこと！」
「え〜！ そんなバナナ！」
「それ死語な！」
「今時なら輸入ぐらいするんじゃない？」
「ゴリラがか？」
「うん」
「どうやってだよ？」
「飛行機で！」
「無理だろ」
「船で！」
「無理だろ」
「密輸？」
「そういうことじゃねえよ、ゴリラが誰と貿易すんだよ？」
「人と？」
「しねぇよ！」
「カニクイザル？」
「誰だよそいつ！」
「おサルさんだよ！」
「あいあい、わかったよ。てか、ゴリラは温厚で頭は良いけど貿易も外交もしません。以上！」
「へぇ〜、今も鎖国してるんだね！」
「おめぇのせいでゴリラへの偏見を生むかもしれねぇから、この話はもう終わりな！」
『トッピングカップルii』