「さて、問題です!」
「は? さっきの話は?」
「『井の中の蛙』の後に続く言葉は何でしょうか?」
「あぁ、その前振りだったってことか!」
「そだよ! それでわかった!?」
「そんなんわかるし!」
「それ嘘! 普通わかんないよ!」
「オレはわかるし!」
「何でわかるの?」
「おめぇの考えてることぐれぇ手に取るようにわかるってこと!」
「うそ〜!」
「まずおめぇは今、オレが何もわかってないと思ってる!」
「うそ! 当たった!」
「だろ!」
「メンタリズム!」
「それな!」
「じゃあ、今は何て考えてる?」
「次は絶対当たらない!」
「うそ! 当たった!」
「だろ!」
「メンタリストハムだ!」
「それな!」
「じゃあ、今は何て考えてる?」
「次こそ当たんない!」
「うそ〜! 当たりなんだけど!」
「オレのこと舐めんな!」
「うん。もう公ちゃんの家のペットのことバカにしない!」
「待てよ、ペットなんて飼ってねぇし!」
「え、あのクモは?」
「それはただの益虫!」
「へぇ〜!」
「で、『井の中の蛙』の後に続く言葉だろ?」
「それそれ!」
「正解言っていいのかよ?」
「いいけど、外れたらここ公ちゃんのおごりね!」
「いいぜ、当たったらおめぇのおごりな!」
「いいよ、絶対外れるから!」
「いやいや、こんなん予選敗退したやつだって知ってるぜ!」
「それどゆこと?」
「大会参加者は知ってるってこと!」
「あ〜、そういうことね〜」
「いいのか、大船に乗った気で答えちまうぜ!」
「いいよ〜」
「今さらルール変更はなしだぜ!」
「うん、当てられるかな〜?」
「『井の中の蛙』に続く言葉は!」
「言葉は?」
「それは!」
「それは?」
「飛び込む水の音!」
「え!!!!!」
「だろ?」
「な、何でわかるの!?」
「わかるっていうか、これ教養の範囲内だろ?」
「うそ〜、普通の一般人は『大海を知らず』って答えちゃうのに〜!」
「オレをそこら辺の頭の固い大卒達と一緒にすんな!」
「高卒は?」
「高卒も!」
「だよね、公ちゃん中退だもんね!」
「その話を無理やり作るな! 停学しても卒業してるし!」
「テヘペロ!」
「ということで、おめぇのおごりな!」
「しょうがないな〜、公ちゃん苦学生だもんね」
「学生じゃねぇし!」
「苦生だもんね〜」
「くさくねぇし!」
井の中の
蛙飛び込む
水の音
(詠み人 半分以上芭蕉)
『トッピングカップル 上の句』
ボーナストラック
「公ちゃん」
「何だよ?」
「『井の中の蛙飛び込む水の音』の下の句知ってる?」
「あれだろ、チャポワワワワワ ホワワワワワァ」
「すごい! 知ってた!」
「当たりめぇだし、例え東大生正解率0%だとしてもオレにはわかる!」
「さすがハム尾芭蕉!」
井の中の
蛙飛び込む
水の音
チャポワワワワワ
ホワワワワワァ
(詠み人 半分以下芭蕉)
・解説
上の句のどこかで聞いたことのあるような印象とは裏腹に、下の句からは井戸の奥深さと音の余韻を感じる奥深い表現の和歌となっています。
『トッピングカップル 下の句』