「このタンスはどれくらいですか?」
「違うんじゃね?」
「このタンスはこことそこでどのくらい?」
「沙羅魅。これハウマッチで値段聞いてるんだぞ」
「このタンスはおいくらですか?」
「あ~、イライラするな。これぐらい簡単だろ!」
「だって、英語難しいじゃん!」
「ちょっともっかい問題見せてみろよ」
「これはだな。このタンスの値段をここからそこの間でどれくらい動かせるか聞いてるわけよ」
「うんうん」
「つまり値引きをお願いしてるわけな」
「ということは、『このタンスはどれくらい値下げできますか?』ってことね!」
「ご名答!」
「やった! 公ちゃんに聞いてよかった~♪」
「よし。次の問題やってみろよ」
「えっと、あれを飲まないんですか?」
「どれだよ」
「ギンガー?」
「は? それジンジャーだし!」
「あ、ジンジャーね!」
「しかもWhy don't youは(~しないんですか?) じゃなくて(~してはいかがですか?) だからな」
「そっか。で、ジンジャーってどういう意味だっけ?」
「は? おめぇそこからかよ。それはそのまま日本語になってるだろ」
「え?」
「いいか。もう一回問題見るぞ」
「これはだな。神社のアレ。つまり、神社の入り口の龍の口から出てる水のことを言ってるわけじゃん」
「あ、沙羅魅わかった! 『手水舎の水を飲んだらいかがでしょうか?』だね!」
「グッド! これがいわゆる観光地で使う生きたフレーズってやつよ!」
「すごーい! 公ちゃんの英語力って本当すごいね!」
「もちよ。もち! ちなみにモチベーションってあるだろ」
「うん」
「あれはな日本語からできてるんだぜ!」
「え、マジ?」
「magicと書いてマジ! 元は祝いの席で炊いた赤飯から」
「わ、どゆこと、赤飯?」
「それを言うなら、『What, do you call to, Sekihan?』だろ?」
「わ、バイリンガル! バイリンボーイ!」
「で、赤飯は餅米だろ」
「うん」
「赤飯を食べた外国人がもちもちした食感に感動して『これモチベイっしょ! モチベイっしょ!』ってはしゃいでテンション上がった状態を見た福沢諭吉がモチベーションって単語を作ったって話よ」
「え~、一万円が作ったの!?」
「あと自由って言葉を作ったのもな!」
「え~、自由が丘も作ったってこと!?」
「まぁ、そうなるな」
「わぁ、トリビア! トレビア~ン! あと自由の女神も作ったの?」
「それは大工さんだろ! あと慶応も作ったらしいぜ」
「K.O. ! 諭吉はストリートファイターだったんだね! 沙羅魅強い男って尊敬しちゃう!」
「やっぱ強ぇ男はいいよな!」
自由という言葉は2人のためにあるのかもしれない。
To be continued......
『トッピングカップル a』