「ねぇ、公ちゃんなんでエレベーター乗らないの?」
「別にエスカレーターでいいだろ?」
「だって、目の前にエレベーターあったよ!」
「別に目の前にエレベーターあってもそれに乗る必要なくね?」
「あるある! 遠回りになっちゃうでしょ?」
「急がば回れって言うだろ?」
「それはただのことわざ!」
「本当はオレはエレベーターしか使えない人がいるからその人達が使えるようにわざと乗らなかったんぜ!」
「何それ?」
「さりげない気づかいだし!」
「それ偽善でしょ?」
「偽善とか言うな! エレベーターしか使えない人に譲ったんだし!」
「誰それ?」
「それはエレベーターしか使えない人だぜ!」
「え、王様とか?」
「ちげぇよ、松葉杖とか車椅子の人とか!」
「あっ、そっち系ね!」
「優先席とかあんだろ!」
「あるね! 本当は全部の席でみんなが譲り合えばそんな席存在自体いらないのにね!」
「突然まともなこと言うなよな!」
「沙羅魅はいつもまともなことしか言わないよ!」
「名古屋県とかオーストリアとかだろ?」
「あっ、公ちゃんら抜き言葉!」
「それオレが教えたやつだし!」
「そだね!」
「てか、王様ってなんだよ?」
「一国のあるじだよ!」
「どこキングダムのだよ?」
「ユナイテッドステイツオブアメリカ?」
「それUSAな!」
「それそれ!」
「てか、アメリカは王様いねぇだろ?」
「いるいるトランプさん!」
「それ大統領な!」
「え? トランプの13は?」
「キング」
「ほら! いたー!」
「それは別のトランプな!」
「同じ同じ!」
「ちげぇ、ちげぇ!」
「同じ同じ!」
「大統領のトランプは名前だろ?」
「カードのトランプも名前だよ!」
「トランプ大統領はカードじゃねぇし!」
「カードのトランプも人間じゃないよ!」
「それ何を比べてんだよ?」
「わかんない!」
「結局はトランプとトランプはちげぇってことだぜ!」
「すみっこぐらしのトランプもプリキュアのトランプも同じトランプだから!」
「どゆことだよ?」
「絵が違ってもトランプはトランプなの!」
「数字とマークが同じならそうかもな!」
「ほらほら認めた!」
「いやいや、大統領はマークとかねぇし!」
「トランプ・マーク! ほら!」
「誰だよ? 大統領はドナルド・トランプだぜ!」
「そうとも言うよね!」
「大統領は確実にドナルドしかねぇし!」
「そんな細かいこと気にしてたら今年終わっちゃうよ!」
「まだまだ今年始まったばっかりだし!」
「そうとも言うよね! 早く王様ゲーム食べたいな!」
「ガレット・デ・ロワな!」
『トッピングカップル 45』