「沙羅魅、これ見てみろよ！」
「それウケる！ いとをかしなんだけど！」
「だな！ いとをかしだな！」
「IKEAってこんなに部屋あるんだね！」
「だな！ 部屋いっぱいあって旅行に来たみてぇだな！」
「ね！ おしゃれ家具がいっぱいで超いとをかしなんだけど！」
「な！ ワクワクしてくんな！」
「急なこと過ぎて教養が滲み出ちゃった♪」
「は？ おめぇに教養なんてあったか？」
「あるある！ 油断したら溢れ出るくらいある！」
「ねぇし！ おめぇには1マイクロチップも教養ねぇし！」
「あるもん！」
「ねぇよ！ おめぇにあるのは可愛さぐれぇなもんだぜ！」
「やだも〜！ 公ちゃんは見た目しか褒めないんだから〜！」
「おめぇ喜びすぎだし！」
「そういえば沙羅魅の友達ね」
「おう」
「結婚式呼んでねって言ったのに」
「おう」
「家族葬だからって呼んでくれなかったの！」
「おう」
「ねぇ聞いてる？」
「おう」
「本当に聞いてる？」
「聞いてるぜ！」
「ひどいと思わない？」
「しょうがねぇだろ家族でやるっていうなら身を引けよな」
「だって結婚式の家族葬くらいに混ぜてくれてもいいと思わない？」
「なんかそれ、めでたいのかめでたくないのかわかんねぇな」
「めでたいよ、沙羅魅もお祝いしてあげたい！」
「じゃあ、ご祝儀でも送ってやれよ」
「それはそれ、あってお祝いしたいの〜！」
「じゃあ、友達とどっかでお食事でもして祝ってやればいいだろ？」
「あっ、その手がある！」
「あるぜ！」
「じゃあ、早速お祝いしなきゃ！」
「は？」
「じゃね！」
「は？」
……
「今から行くのかよ？」
『トッピングカップル 11784』