「うなぎが絶滅したら喰えねぇぜ」
「え! だったら絶滅する前に食べなきゃ!」
「だから、絶滅しないように喰うの自粛しろよな!」
「なんで? 沙羅魅が食べなくてもみんなが食べて絶滅するなら、沙羅魅も食べてちゃんと成仏させる!」
「マジかよ、おめぇいつから霊能力者になったんだよ!」
「え、沙羅魅って霊能力者だったの!?」
「そうなんじゃねぇ?」
「塩撒いたらいいかな?」
「それは関取だろ!」
「横綱もいるんだから、全部合わせて力士って言ってよね!」
「それかSumou wrestlerな!」
「スモウウレストルアー?」
「スモウレスラーな!」
「あっ、それ聞いたことある!」
「そりゃあるだろ、力士の英語バージョンだぜ!」
「へぇ、相撲はそのままSumouなのに、力士はRikishiじゃないんだね!」
「だな、確かに変だな!」
「これ何か陰謀があるんじゃない?」
「あるかもな、人力車はrickshawなのに変だな!」
「え、人力車は英語でリキシャーなの?」
「マジだぜ!」
「ってことは、元々はポルトガル語だったってこと?」
「は?」
「天ぷらもトランプも元々はポルトガル語でしょ?」
「語源の話か、って言っても天ぷらは日本の文化だぜ!」
「ね! お寿司美味しい!」
「うめぇよな!」
「この穴子美味しいね!」
「それうなぎな!」
「公ちゃん。うなぎは絶滅しそうだから食べちゃダメだよ!」
「それオレがおめぇに教えたやつだし!」
「え、いつ?」
「さっき!」
「マジ?」
「紛れも無い事実と書いて、マジ!」
「そっか、受け売りって使うの難しいね!」
「ちなみに、土用の丑の日は『う』がつくものを喰えばいいんだぜ」
「あっ、それテレビでやってた!」
「ネットにも書いてあるし、令和時代はみんな知ってるぜ!」
「だから、うなぎを食べればいいんだよね!」
「だから、うなぎを喰うのを自粛しろよな! とりあえず、うどんでも牛でも喰ってればいいんだよ!」
「あっ、丑の日だけに牛食べればいいんだ!」
「な、そのまんまだな!」
「じゃあ、何でみんなうなぎ食べるの? 馬鹿なの?」
「本当おめぇは都合のいい頭してんな!」
「えへへ、それほどでもないよ〜」
「褒めてねぇし! ちなみに、土用にうなぎを食べ始めたきっかけは、平賀源内がうなぎを売るために仕組んだマーケティングなんだぜ!」
「え、あのフリーメイソンの人?」
「たぶんちげぇな!」
「あっ、テスラコイル作った人!」
「それテスラな、平賀源内はエレキテル作った人な!」
「あっ、エレキテル連合の人!」
「それもちげぇ!」
「じゃあ、何した人?」
「だから、エレキテル作った人!」
「あっ、テスラコイルね!」
「だから、それはテスラ!」
「じゃあ、コイルを作った人はコイル?」
「そうなんじゃねぇ?」
「ってことは、コナン?」
「それはドイル!」
「違う江戸川!」
「それを言うなら、エドガーな!」
「えっ?」
「はっ?」
「え、何?」
「兎に角、平賀源内がうなぎキャンペーンをしなければ絶滅しそうにはならなかったってこと!」
「そだね、全部陣内智則が悪いんだね!」
「矛先変わってる!」
「あっ、似てるから間違えた!」
「どの辺が似てんだよ?」
「漢字四文字?」
「大抵の日本人はそれだし!」
「暮石沙羅魅。はい、五文字!」
「おめぇ全部自分中心に考えるのやめろよな!」
「何言ってるの? この世界に沙羅魅がいなかったら、この世界に意味なんてないでしょ?」
「そだな、おめぇがいねぇ世界なんて何の価値もねぇな!」
「ほら〜!」
『トッピングカップル う』