ドッテテドッテテ、ドッテテド
獲物を担いだ男たち
ドッテテドッテテ、ドッテテド
行進しながら帰ってく
霧がぽしゃぽしゃ降る朝に出かけ
彗星がギーギーフーギーギーフー流れる夜に村に着く
月の明かりは、ツンツンツン
星の光の、ピッカリコ
青くぺかぺか光ったり消えたり
グララアガア、グララアガア
足を踏み鳴らす
地面の底から何かのんのんわくような響き
先頭の男が鈴をがらんがらんがらんがらんと振る
後ろの方の鈴はツァリンツァリンと鳴り、馬はポカポカ
村の前ではこどもたちがどやどや出迎える
女たちは大きな木鉢へ葡萄のつぶをパチャパチャむしる
赤子はチャキチャキ鳴る鋏の銀の影をながめてる
男の藪のようなもぢゃもぢゃ髭
鋏をありありと見るとのどをくびくびさせている
髭を鋏でぢゃきぢゃき刈りとって
幼子は腹を抱えてかぷかぷ笑う
頭がもちゃもちゃ
どしりどしり
小屋はしばらくぎしぎしきし
夜はもうずんずん沈み
とっぷりと漬かる
首をスポンと切る
首が太いとシュッポォンと切る
小さな囲いでチョロチョロ赤い火が燃える
かげろうのような火がゆらゆらゆらゆら燃えてのぼる
こどもは金米糖こちこち食べる
大人はぽくぽく食べる
みんなむちゃむちゃ食べる
むにゃむにゃ兎の耳をかみながら
あをあをとねむる
次の日の朝も白い霧のポッシャントン
ハチドリはミィミィと鳴き蝶のように花の蜜をたべる
これからきっとつめたい雨のザァザザザ
それとも春降るようなポシャポシャ雨
ドッテテドッテテ、ドッテテド
獲物を探す男たち
ドッテテドッテテ、ドッテテド
行進しながら出かけてく
ドッテテドッテテ、ドッテテド
獲物を探す男たち
ドッテテドッテテ、ドッテテド
行進しながら出かけてく
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私の幻燈もこれでおしまいであります。