絵描き歌が気になる

投稿日:2019-07-12 更新日:

「絵描き歌歌うから公ちゃん描いてみて〜!」
「は?」
「じゃあ、行くよ〜!」
「待て待て! 『絵描き歌歌うよ』って歌が2個並ぶのおかしくねぇか?」
「え、そこ気にするとこ?」
「気になるだろう! 絵描き歌々うよって言えよな!」
「それはそれで変じゃない?」
「どこが?」
「よくわかんないけど、歌々うよってなんか違う感じがする!」
「それは気のせいじゃねぇ?」
「気のせいじゃないよ! 漢字の違和感を感じるの!」
「おめぇ、そのダジャレが言いたかっただけだろ!」
「それもあるけど〜」
「じゃあ、『絵描き歌々うよ』をひらがなで言ってみろよ」
「えかきうたうたうよ!」
「変か?」
「へ、変じゃない!」
「じゃあ、それで合ってるんだし!」
「だね! 合ってた!」

「で、どんな絵描き歌だよ?」
「え? 適当にいちゃもんつけて絵描き歌のことを完全に忘れさせようとしてたんじゃないの?」
「確かにそうだったけど、どんな絵描き歌なのか気になっちまったんだよ」
「そうなんだ〜! 公ちゃんも絵描き歌ブーム来ちゃったね!」
「ブームは来てねぇし!」
「いいよいいよ。恥ずかしがらないで!」
「恥ずかしくはねぇし! むしろ、そんなブーム来たら末代までの恥だし!」
「スケールデカ〜い!」
「別にデカくねぇし! さっさと歌えよな!」
「じゃあ、行くよ〜!」
「おう!」
「朝ぼらけ!」
「おい!」
「そこははい! でしょ?」
「百人一首かよ!」
「違う、万葉集!」
「ってか、朝ぼらけだけだと普通はまだ何かわかんねぇし!」
「え、何が?」
「六字決まりだろ?」
「え、何が?」
「朝ぼらけが!」
「え、なんで?」
「今のは万葉集だろ?」
「うん、そう!」
「てか、絵描き歌どうした?」
「あっ、そうだった! 間違えちゃった!」
「なんだよ、うっかりミスかよ」
「そう、それそれ!」
「やれやれ」
「ちょっと待ってね、思い出すから!」
「早くしろよ」

「思い出した絵描き歌歌うから公ちゃん描いてみて〜!」
「は?」
「じゃあ、行くよ〜!」
「待て待て! 『絵描き歌歌うよ』って歌が2個並ぶのおかしくねぇかってさっき言ったばっかりだろ?」
「え、そこ気にすること?」
「気になるだろう! 絵描き歌々うよって言えよな!」
「それはそれで変じゃない?」
「っていうか、『そこ気にすること?』って変じゃねぇ?」
「え、デジャブじゃなくなった!」
「『そこ気にするとこ?』か『それ気にすること?』のどっちかじゃねぇ?」
「確かに何となく違うのはわかるけど、それ気にするとこ?」
「気になるだろう!」
「じゃあ、絵描き歌々うよ〜!」
「待て待て! オレ達のディスカッションを無に帰すな!」
「ごめん! これ以上他のこと話してたら絵描き歌忘れちゃうから!」
「マジかよ! そんなにスゲェ優先度高けぇ絵描き歌かよ!」
「そだよ! 絶対これ天からディスカウントして来た!」
「マジかよ!」
「マジだよ!」
「てか、ディスカウントってその場面で使わねぇし!」
「え、嘘!」
「値引と書いて、マジだし!」
「あっ、ディスカウントって値下げのことだ〜!」
「天から降りて来たってのは伝わるけど、値段は下がんねぇだろ!」
「だね!」
「そだし!」
「……」
「おい、どうした!」
「絵描き歌忘れた〜!!!!!!!」
「やれやれ、がんばってディスカバーするしかねぇな!」

「今度こそ思い出した絵描き歌歌うから公ちゃん描いてみて〜!」
「は?」
「じゃあ、行くよ〜!」
「待て待て! 『絵描き歌歌うよ』って歌が2個並ぶのおかしくねぇかってさっきもそのさっきも言ったばっかりだろ?」
「え、それ気にするとこ?」
「気になるだろう! 絵描き歌々うよって言えよな!」
「それはそれで変じゃない?」
「っていうか、これ何度目だよ!」
「三回目!」
「今度こそ歌えるんだろうな?」
「うん! バッチリ! 三度目の正直でダウンロードしといた!」
「お、ナイス! よしこい!」
「行くよ〜!」
「人を〜♪」

「待て待て!」
「え、何っ?」
「おめぇが歌うのかよ!」
「うん!」
「今ダウンロードって言ったよな!」
「言ったよ!」
「どこにダウンロードしたんだよ?」
「ここ」
「そこ?」
「うん、ここ!」
「おめぇ、自分の頭にダウンロードってどうやんだよ?」
「え、天からディスカウ〜〜ドゥヌ〜、的な?」
「わけわかんねぇし!」
「ていうか、公ちゃんさっき歌えって言ったよね!」
「言ったけど、ダウンロードって言葉が出た瞬間からデジタルサウンドを期待してたぜ!」
「え〜、アナログしか歌えないよ〜」
「そりゃそうだろ、おめぇアンドロイドじゃねぇもんな」
「うん。沙羅魅の愛用はアポーのウィザホだもん!」
「てか、もうなんか色々どうでもいいからさっさと歌えよな!」
「うん。じゃあ、気を取り直して行くよ〜!」
「よしこい!」
「人をの〜♪」

「ヤベェ!」
「え、何?」
「紙もペンもねぇ!」
「もう〜、デジタルでやったら?」
「アプリ起動するからちょっと待ってろ!」

 

次回の絵描き歌編につづく......

 

 

『トッピングカップル 1242』

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