タバスコあれこれ

投稿日:2019-07-09 更新日:

「え、タバスコって10円玉キレイにするためにあるんじゃないの?」
「流石におめぇ、それだけのためにはねぇよ!」
「だから、イタリアン行くとテーブルの上にあるんだね!」
「そゆこと!」
「じゃあ、食べられるの?」
「そうなるな!」

「辛い!」
「は?」
「これ辛いよ!」
「辛いの知らなかったのかよ!」
「知らないよ〜!」
「ちなみに、日本にタバスコを紹介したのはアントニオ猪木な!」
「あ! それ聞いたことある!」
「マ、マジかよ?」
「アントニオ猪木が経営してたアントントレーディング社が代理店契約を結んで、日本人にその味を定着させたんだよ!」
「おめぇ詳しいな!」
「あと、アントニオ猪木が初代タイガーマスクと一緒にCM出演してた!」
「詳しすぎだし!」
「ということは!」
「ということは?」
「公ちゃんが言ってたアントニオ猪木が日本にタバスコを紹介したのは間違えで、タバスコの知名度を広げただけってこと!」
「な、なんだと!」
「でしょ?」
「実はそうなんだな、タバスコは第二次世界大戦後にすでに日本のレストランで食べられていたんだぜ……」

「やったー! 沙羅魅の勝ち!」
「ちょ、待てよ!」
「え、何?」
「何でおめぇそんなに詳しいのにタバスコ喰ったことないって言ってたんだよ!」
「ふふふ、沙羅魅は一度も食べたことないとは言ってないのよ」
「な、なんだと?」
「レストランのテーブルの上にあるものを食べないという選択が、この食いしん坊万歳の沙羅魅にあるえると思う?」
「た、たしかに!」
「つまり、今までのは公ちゃんを陥れるための罠だったってわけよ!」
「ど、どういうことだ! オレを騙して何の得があると言うんだ!」
「それは……」
「それは……?」
「目の前のピザを食べると分かるわよ!」
「な、なんだと!」
「ナンじゃない! ピザ!」
「ってか、ピザじゃなくてPizza!」
「あっ、発音いいやつ!」
「そして、沙羅魅は今の会話の流れを忘れる……」
「ぇ?」

「で、何か言ったか?」
「え、何の話ししてたっけ?」
「わ、わかんねぇ!」
「え〜! 公ちゃんも!」
「そゆこと!」
「てか、お腹空いた!」
「な! てか、目の前のピザ喰えばいいじゃん!」
「うん、食べる!」
「……」
「これめっちゃ辛い〜!!!!!」
「やれやれだな」
「何このピザ?」
「Pizza diavolo!」
「あっ、発音いいやつ! てか、何でこんな辛いの頼んだの?」
「上に何が載ってるかわかるか?」
「チーズ?」
「そりゃ載ってるだろ」
「トマト?」
「それも普通載ってるな!」
「え、何?」
「サラミだよ、おめぇのことだよ!」
「あっ、なんかわかんないけど嬉しい!」
「ということで、おめぇが全部喰っていいんだぜ!」
「え、本当に! やったー!」
「な、よかったな!」

 

『トッピングカップル 1002001』

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