ラッシー違い

投稿日:2018-11-14 更新日:

前の話《スパイス色々》

「これ犬入ってねぇぞ」
「犬いないね~」
「ラッシーなのにな」
「ラッシーなのにねぇ。白い犬溶かしたのかな?」
「それはインドネパール人パネェな」
「パないねぇ。えげつないねぇ~」
「でも、かなりあめぇなこれ」
「あまいね。糖尿の犬だったんじゃない?」
「マジかよ? 気持ち悪いなこれ」
「でも美味しいねぇ」
「あぁ、うめぇからいいか」

「ねぇ公ちゃん。ナンってなんでナンなんだろうね?」
「そりゃ、ナンはナンだからナンなんだろ」
「なんだ。ナンはナンだからナンなんだね」
「そうだよ。インドネパール人がナンって言ったら誰がなんと言おうとナンなんだよ」
「ところで今何回ナンって言ったかわかる?」
「それは何回ナンのナンまで入れるのか?」
「え、どのなんのこと?」
「だから今何回ナンって言ったかの何回ナンだよ」
「う~ん。なんかよくわからなくなっちゃった」
「そのなんも入れるのか?」
「え、沙羅魅またナンって言ってた? なんて言ってた?」
「なんかよくわからなくなっちゃった。のなんだよ!」
「すごい公ちゃん! 沙羅魅がなんて言ってたのかちゃんと覚えてるんだね!」
「何の話だ? ただ繰り返しただけだろ」
「いや、でもすごいよ。沙羅魅なんてさっきなんて言ったかなんて覚えてないよ」
「なんで覚えてねぇんだよ。なんだかんだ言ってもそれぐらい覚えられるだろ?」
「え~、もうなんかよくわからなくなってきちゃったよ」
「なんだよそれ。おめぇが先になんを何回なんて言って来たんだろ」
「だってなんかよくわからなくなんてきちゃったんだもん~」
「おめぇ、言ってること変だぞ」
「なん、なんだって!」
「おいおい、おめぇさっきからなんなんなんなん、なんなんだよ!」
「そっちこそ、なんなんなんなん、なんなんだよ! ってなんなのよ~!」
「なんでおめぇ逆切れしてんだよ。なんなのか聞いてるのはこっちだぞ!」
「だって、もうなんばっかりでなんもわかんなんだもん!」
「待て、沙羅魅!」
「なんなのよ~!」

「落ち着け、沙羅魅ッ! これはスタンド攻撃ってやつだッ!」
「え、なにそれ!?」
「いいからこの店出るぞッ!」
「え、なんで!? じゃあトイレ行ってから!」
「ダメだッ! トイレで襲われるのがパターンだッ!」
「え~、我慢できないよ~!」
「おめぇ、なんで我慢できないまでトイレ行かないんだよッ!」
「まだ大丈夫だけど、お店出る前に行きたいの~」
「ダメだッ! たぶん店員の中の誰かがスタンド使いだから一刻も早くここから出るぞッ!」
「え~、なにそれ~。じゃあ、急いでコンビニ行こう!」
「よし、行くぞッ!」
「昭和27年11月11日!」
「なんだって?」
「吉幾三ってこと!」

逃げる様にカレー屋から出た2人。
そして、この2人がこの店に来ることはもうないだろう。

to be continued......

 

 

『トッピングカップル 0.63』

 

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