ここに3つの水があるじゃろ

投稿日:2019-06-27 更新日:

「問題です!」
「またかよ」
「ふつうのみず、あついこおり、つめたいおゆ、ありえないのはどれでしょうか?」
「はぁ? その問題間違ってねぇ?」
「間違ってないよ〜」
「ふつうのみずはただの水だろ」
「うん!」
「あついこおりは厚い氷だろ」
「うん、ということは!?」
「つめたいおゆは白湯だろ」
「あっ! それがあった!」
「ということはこの問題は不成立ってことだ!」
「そだね!」

「いや、待てよ!」
「え、なに?」
「普通の水ってなんだよ。普通っていう言葉が一体どんな状態を指すのかわかんなくね?」
「え、普通の水はただの水でしょ?」
「ただの水が無料の水ってことだったら、それは普通じゃなくね?」
「え、なんで?」
「だって、水道の水もペットボトルの水も有料じゃん」
「そだね!」
「普通の人ってどんな人かわかるか?」
「え、サラリーマン?」
「じゃあ、自営業の人は普通の人じゃないってことか?」
「それは違うね」
「男とか女が普通でそれ以外が普通じゃないとは言い切れないだろ」
「そだね!」
「それから、日本では日本語を話すのが普通だけど、アメリカでは英語を話すのが普通だろ」
「うん。フランスはフランス語でイギリスはイギリス語だもんね!」
「イギリス語ってなんだよ! 英語だろ!」
「あっ、そっか!」
「ブラジルではブラジル語、カナダではカナダ語。話す言葉で普通は測れないってことだぜ!」
「うん。大阪では関西弁、青森では津軽弁だしね!」
「だな! ってことは、普通の水は何を持って普通なのかわからないから、存在を証明できないからありえねぇってことだぜ!」
「じゃあ、ありえないのは普通の水だったってことだね!」
「いや、待て!」
「え、普通の水はやっぱりあるえるってこと?」
「白湯は冷たいお湯ではなく、冷ましたお湯だから結局問題は不成立になる!」
「え〜! もうだめ問題じゃん〜!」

 

『トッピングカップル h2o』

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