「ねぇ公ちゃん。レットホットチリペッパーって何？」
「スタンド」
「なにそれ？ 立つの？」
「電気で戦うんだよ」
「え？ どういうこと？」
「おめぇにはちょっと難しい話だよ。多分おめぇが言いたかったのはレットホットチリペッパーズの方だろ」
「え、何が違うの？」
「やれやれ、複数形かどうかだろ」
「う～ん。違いがよくわかんなかった。で、それは何なの？」
「バンド」
「歌うってこと？」
「そうだな」
「どんな曲があるの？」
「デスノートの主題歌」
「へぇ～、そうなんだ～」
「あの曲かっこいいよな！」
「沙羅魅どんなのか覚えてないけどね～」
「ふ、そんなことだろうと思ったぜ」
「は、公ちゃん、一芝居打ったのね！」
「マヌーバーだし」
「ま、まぬーばー？」
「ドラクエの呪文だよ。maneuver」
「そんなのあるんだね～」
「で、レッドホットチリペッパーズって日本語にするとなんになるの？」
「レッチリ」
「わあ、かなり短くなった！」
「しかも言いやすいぜ！」
「レッチリ！ ほんとだ！」
「ちなみにレッチリのギタリストはたくさん入れ替わってるんだぜ」
「え、遺伝子組換え？」
「それをいうならメンバーチェンジな」
「なんでかわっちゃうの？ 交通費の待遇悪いのかな～？」
「ヘロインで死んだりいろいろと大人の事情があるんだよ」
「へぇ～、ギターの神様に見放されてるバンドなのかもね～」
「ジミヘンにか？」
「え、誰それ？」
「ギターの神様って言ったらエリック・クラプトンしかいねぇだろ！」
「え、ギターの神様はうえむらなんとかじゃないの？」
「は？ 誰それ？」
「日本人」
「だろうな」
「あ、うえむらはなって名前だった気がする！」
「は？」
「あ、植村花菜はトイレの神様だ～」
「ぜんぜんちげぇし！」
「同じ神様じゃん～」
「ギターとトイレを一緒にすんなよ！」
「捨てる神あれば拾う神あるって言うじゃん～」
「トイレの神様に拾われてもレッチリは嬉しくねぇと思うぞ」
「それもそうだね～。べっぴんさんになってもしかたないもんね～」
「いや、裸に靴下のべっぴん4人組なら違うファンがつくかもな！」
「なにそれ！ 確かに見てみたいかも！」
「でも、無理だな」
「え、なんで～？」
「だって、フリーはぜってぇにトイレ掃除しねぇ顔してんもん」
「なにそれ！ 名は体を表すってやつだね～」
『トッピングカップル 14』